東洋計量史資料館にて メートル法批准150周年記念展示を開始
2025年9月17日
東洋計器(株)(松本市 土田泰正社長)が運営する「東洋計量史資料館」(土田泰秀館長)は、メートル法が1875(明治8)年に世界18か国で批准されてから本年で150周年となることから、記念の催しと展示を行います。
■メートル法成立
メートル法をフランス立憲国民会議でタレーランが提唱したのは1790(寛政2)年のことで、前年の1789(寛政元)年にフランス大革命が起きています。計量の基準が都市やギルド(商業組合)ごとに異なるような社会情勢であり、身分制度の解消と共に計る基準を決めることが健全な社会を確立する上で不可欠でした。地球の子午線の実測を行い、メートル法に統一されるまで85年を要しました。
日本がメートル法に加盟したのは、批准から10年後の1885(明治18)年です。以来、日本ではメートル法統一への法的整備や社会的啓蒙が行われましたが、尺貫法やヤード・ポンド法の活用が時代によっては根強くあり、結局1958(昭和33)年にメートル法以外を禁止する法律が制定され、メートル法に統一されました。日本においてもメートル法統一までに72年かかりました。
度量衡は生活に深く関わる制度で、基本を変えるのは容易ではないことがメートル法成立の経緯を振り返ると分かります。
■日本計量史学会
世界初の世界基準であるメートル法成立から150周年を迎えたことに関連して、日本計量史学会が10月10日(金)に東洋計量史資料館で開催されます。
当日は、キログラム原器の作成に関わった産業技術総合研究所・工学計測標準研究機関主席研究員の倉本直樹氏が『メートル条約150周年 質量の単位「キログラム」の過去・現在・未来』と題して記念講演を行います。土田泰秀館長は『スペインの計量の歴史』についてメートル法成立までの経緯も含め報告します。山田研治日本計量史学会前会長は『井田制と西周尺について』の研究発表を行います。
※一般公開は行いません。
11月1日(土)の「計量記念日」には、東洋計量史資料館を無料一般公開します。
メートル法成立を記念した展示内容に一新しており、見学希望者には館内の解説を随時行なっています。注目の展示品は、メートル法が批准される前の1837(天保8)年から1840(天保11)年にフランスの砲兵隊王立工場で製作された、世界最古の貴重なバーニャ付きノギスです。ノギスにはメートル目盛と、当時フランスで使われていたプース目盛の両方が表面・裏面にそれぞれ刻まれています。また尺貫法、ヤード・ポンド法に関わる多くの歴史ある計量機器や、メートル法成立に伴い発展した気象学・医学・工学などに関する計量機器類も多数展示しています。

バーニャ付きノギス(フランス)

特別展示


東洋計量史資料館
所在地 | 長野県松本市埋橋1-9-18 |
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連絡先 |
東洋計器株式会社 秘書課 T E L:0263-48-1121(東洋計器株式会社 代表) メール:info-hakari@toyo-keiki.co.jp |
U R L | 「東洋計量史資料館」ホームページ https://www.toyo-keiki.co.jp/toyokeiryoushi/ |