2025年11月7日 東洋計量史資料館 無料一般公開
東洋計器(株)(松本市 土田泰正社長)が運営する「東洋計量史資料館」(土田泰秀館長)は、11月1日の「計量記念日」に、無料一般公開を行いました。
今年は、メートル法が1875(明治8)年に世界18か国で批准されてから150周年となることから、メートル法成立を記念した内容に展示を一新しました。当日は、多くの皆さまにご来館いただき、土田泰秀館長はじめ資料館スタッフが各展示室の見どころを随時解説しながらご案内しました。
メートル法成立を記念した内容を展示
メインの展示室では、メートル原器・キログラム原器の複製品、世界最古の貴重なバーニャ付きノギスなどをご紹介しました。ノギスにはメートル目盛と、当時フランスで使われていたプース目盛の両方が表面・裏面にそれぞれ刻まれています。メートル法が批准される前の1837(天保8)年から1840(天保11)年にフランスの砲兵隊王立工場で製作された大変貴重なものです。
併せて、メートル法移行前のさまざまな計量機器(尺貫法、ヤード・ポンド法など)も紹介しました。かつては同じ「一尺」「一升」でも、地域や時代、為政者の政策により多くの基準があったこと、これは日本国内でも海外でも同じでありメートル法施行後も定着までは長い期間や努力が必要だったこと、計量の基準統一により社会が安定することなどを実際の計量機器をご覧いただきながらご紹介しました。

各展示の見どころを解説

計量の重要さなどもご紹介

メートル原器の複製とバーニャ付きノギス

日本と台湾の枡
また、資料館には、身の回りの色々なものをはかる各国の計量機器や、メートル法成立に伴い発展した気象学・医学・工学などに関する計量機器類も多数展示しています。例えば、刀の長さと反り、たばこの葉の大きさ、足の大きさ、帽子の大きさ、卵の重さ、木の径、針金の太さ、歯車の間隔、手紙の重さ、人体測定器、牛乳の比重、木炭の硬さ、雲の動きを知るための計量機器などがあり、その種類の多さ・工夫や知恵から「はかること」と人々の生活がいかに密接に関係しているかが分かります。

デザインも様々なヨーロッパのポストスケール

隙間、指輪、歯車、帽子などの大きさを計るため工夫された計量機器
蚕糸業や、日本の高度成長も支えた計量機器
このほか、かつて松本で繁栄した蚕糸業において、品質のよい糸を作るため重要な役割を果たした計量機器、(株)クボタより寄贈された日本の高度成長を支えた「工業用はかり」などもご紹介しました。また、スペインのメートル法などについて記載されているスペイン・マドリード市「計量博物館」のポスターも展示しました。

蚕糸業の間

「工業用はかり」展示
見学のご案内
『計量は文明の母である』『文明は計ることから始まった』
日本計量史学会元会長で日本計量史学会創始者の一人でもある、岩田博士の言葉です。
東洋計量史資料館はおかげ様で昨年10周年を迎えました。
これまで多くの皆さまに来館いただき、計量が社会を支える基礎であり、計量が文明の発展に果たしてきた役割をお伝えしてきました。古い度量衡は、計ることに対する人間の叡智を示す貴重なものです。その歴史と「計ること」の大切さを後世に伝えていくべく、私たち東洋計器は東洋計量史資料館を運営しています。
▼東洋計量資料館は予約制にて随時見学が可能です。
引き続き、是非多くの皆さまにご来館いただければ幸いです。
※冬期休館あり。詳細は下記よりご確認ください。

※掲載されている情報は、撮影当時のものとなります。
展示内容は時期により変更となる場合がございます。



















