2021年5月10日 「そば処 唐松」に咲く春の花たち
過ごしやすい陽気となり春の心地良さを感じる中、松本市の隣に位置する山形村にある「そば処 唐松」さんでも、春に出会いました。
そば処唐松さんは、本棟造りの古民家を改築して建てられた、美味しいお蕎麦と素晴らしい庭園が有名なお蕎麦屋さんです。
暖かな日差しの下、庭園には様々な春の花たちが咲いていました。
キバナカタクリです。日本原産のカタクリとは別種になり、海外から入ってきた品種になります。洋種カタクリ、西洋カタクリとも呼ばれています。
イワヤツデです。別名タンチョウソウ(丹頂草)ともいい、開花前のつぼみが丹頂鶴の頭のように赤いことから由来しているそうです。つぼみが開き始めると赤色が消えていき、真っ白な花になります。
バイモユリです。中国では約700年前から薬用植物として栽培されており、日本へは約300年前に渡来したといわれています。下向きに花を咲かせ、花弁の内側には特徴的な網目模様があります。
シラネアオイです。淡い色の花が可愛らしい印象を受けますが、シラネアオイには花弁がありません。4枚の花弁のように見えるものは、全て萼片(がくへん)になります。
ヤブイチゲです。白い小花が可愛らしいですが、こちらも花弁に見えるものは全て萼片になります。成長すると、雄しべと雌しべが弁化し、中央部に白い花を付けます。
シャクナゲです。様々な色があり大きな花房が特徴のシャクナゲは、もともと高山に自生していたため採取が難しく貴重だったことから、「高嶺の花」という言葉の由来になった花といわれています。
クリスマスローズです。本来ヘレボルス・ニゲルという品種を指した呼称ですが、日本ではヘレボルス属全体を総称し「クリスマスローズ」の名前で広く流通され、親しまれています。
アツモリソウとクマガイソウです。「敦盛草」「熊谷草」と書き、膨らんだ形の唇弁を、背後からの流れ矢を防ぐために武士が背負っていた母衣(ほろ)に見立てて名付けられたもので、優しげな姿のほうを平敦盛に、がっしりした姿のほうを熊谷直実に充てたそうです。
可愛らしい花から珍しい形の花まで、たくさんの花たちが春を楽しませてくれます。
来年はどんな春の花たちに出会えるのか、今から楽しみです。
撮影:電算部 古厩裕之